このサイトにきた人へ

「ネフローゼ症候群」という今までに聞いたともなかった病気だと診断され、不安の中で何か明るい情報がないかと探しまわり、このサイトに辿り着いたという人が多いと思います。私も約4年前にネフローゼ症候群を発症したときは、ネットや図書館などでこの病気についての情報を探しまわりました。SNSサイトでの書き込みや2chなども読みましたが、その当時この病気に関する情報自体がとても少なく、見つかってもとても古いものだったり、使いまわされたような内容のものばかりに思えました。ブログでの闘病記や食事について書かれている方も少なからずいらっしゃいましたが、更新が数年前でストップしていたりするものがやはり多く、このような断片的な情報を探してもモヤモヤとするだけで、病気についてわかったようなわからないような状態のままでした。

 

ステロイドについての不安がある人へ

ステロイドの副作用にも苦しむのがこの病気の面倒なところで、副作用についての情報は大量にあり、不安を煽るような怖いデータばかり目につきます。腎不全、緑内障、大腿骨頭壊死、などなど次から次へと怖そうなキーワードが出てきて再発の不安と重なり将来がさらに暗くなってしまう人は多いと思います。しかし、そういった不安から極度に落ち込んでしまうのは仕方のないことだと思います。私の場合、ネフローゼを発症したとき、生まれて初めてステロイドというクスリを大量に摂取したため精神の起伏がとても激しくなっていました。当時は自覚症状がありませんでしたが、今思い返してみるとあの状態は平常時の精神状態とは明らかに違います。異常に熱中して情報を探し、その内容の怖さから強烈に落ち込んでいたのです。だから私と同じような状態の人も安心してください。その異常な落ち込みは一時的なものです。

 

何故情報が少ないのか。または古いのか。

こういったことを踏まえて、何故長く続いている情報が少ないのか考えてみました。この病気の人達は長い年月を経ることによって、上手く自分の体と付き合い暮らしているのでしょう。発症後すぐはステロイドの大量摂取などで気分が高まり情報を探す人も多く、また発信する人も沢山いるのですが、この病気と付き合いが長くなってくると精神状態もだんだんと落ち着き、自分の人生や体、病気に慣れてくるようです。そうなると実生活に根付いてきたネフローゼ症候群について、わざわざ検索する人も発信してくれる人も減ってくるのだと思います。

 

この病気になって不安な人、再発して不安な人へ

しかし、情報が散らばっているだけでは勿体無いので、少しでもまとめられた場所があれば多くの人に有益になる可能性があると考えてこのサイトを作ってみました。特に、この病気を発症し不安の中にいる人が少しでも安らぐことができ希望を持つきっかけになるのならば嬉しいです。調べていくと、有名人や多くのネフローゼ患者が寛解状態を保てていますし、小児ネフローゼから脱出し再発することなくプロ野球選手になった人やラグビー選手、オリンピックに出た柔道選手も存在していて、明るい情報は沢山あります。しかし不安になってしまうようなことも沢山書いてあるはずです。今の医学では原因解明できておらず、完治することも難しい病気であり、殆どの人がネフローゼと共に生きているのが現状です。再発を繰り返す私のような症状の人はその度に苦しく虚しく、なんとも言えない惨めな精神状態をも繰り返しているからです。蛋白尿検査紙の色が黄色から緑色に変色していくときの恐怖。独特のダルさ。体中がぶよぶよと水っぽくなりながら、強制的にまた発症時のスタートラインに戻されてしまうのかといった絶望を感じるあの時間。頑張ってチビチビと減らしてきたプレドニン量もまた振り出しに戻り、副作用や仕事など将来の不安を強烈に感じながら生きなくてはならない、地獄のような苦しみをまた繰り返えすのかと思うと本当に死にたくもなります。しかし、発症や再発で不安を覚えている人は安心してください。そんな感覚に陥るのはとても怖いですが、喉元を過ぎてしまえばどうにかなるもので、月並みなことしか言えませんが生きていれば楽しいことはあるのです。あれだけの恐怖を味わうと人として逞しくなれるのかもしれません。生きている喜びを以前より実感できますし、色んな出会いに感謝したり、幸せだと心底思えるようにもなります。今、不安で苦しんでいる人がいるならば、それはあなただけではありません。この病気の人はみんな、あなたが感じている不安や恐怖を乗り越え逞しく生きているのです。

 

この病気と共に生きるということ

この病気になって再発することなく発症前の生活を取り戻す人もいるでしょう。しかし、再発をしてしまう人も少なくない病気です。医学的には原因不明のままですが、私の実体験やブログに書かれた大勢の経験談などからすると「体力的な疲れ」「精神的な疲れ」などはやはりよくないようです。ですから、これ以上疲れを貯めこむと危険だとか、自覚はないけれど精神的ストレスがかかっている様子だから気晴らしをするように心がけよう、とか。そういう自分の体を客観的にチェックすることがとりあえずは大事であり、健康に気を遣うという当たり前のことをしていれば普通に生きていけるのだと思います。もちろん、いつ再発するかわからない状態は、爆弾を抱えて生活しているようなものでもあります。しかし不安で怯え、ビクビクしながら引きこもっていても意味がないのです。この病気に限ったことではなく、自分の病気と丁寧に向き合う努力をしてバランスを保ち、苦しみを打ち消すほどに幸せを感じながら生きている人は世界中に沢山います。くどいようですが、苦しんでいるのは私だけではないし、あなただけではないのです。そういった意味を込めて、みなさんと何かを共有できるように、このサイトがこれからも作っていければいいな、と思っています。

 2013/4 Nishimura